2014-09-29

アマゴ稚魚放流について

日時 平成26年9月28日(日)8時?

場所 西宗川、高山川

9月28日(日)8時?青天の秋、広島市安佐北区の太田川漁協前に集合。稚魚運搬車2台のタンクに水を溜めた後、湯来町麦谷のフジモト養魚場に向かう。15g前後のアマゴの稚魚を15kgと55kgに分散。放流するメンバーを西宗川方面と高山川方面の二手に分け出発した。高山川は、渓谷で険しい場所が多く、渓流釣りに慣れた3名と、太田川漁協の2名の計5名で先行してもらった。比較的なだらかな渓相の西宗川では、地元の子どもたちを交えて7名の児童と保護者の方が、我々の到着を待っていた。現着後、オトリ缶2個に5kg程度分け、2名の方にもっと上流に放流してもらうことにした。残りの稚魚をバケツに小分けし、各自3回の放流体験をしてもらった後、集合写真を撮った。このたびは、児童の放流体験も兼ねているので、安全第一を考慮し行った。児童たちにアマゴやヤマメの見た目の違いを教えると、稚魚を濡れた手に取って、じっくりと観察していた。

dsc_0411.jpgdsc_0436.jpgdsc_0447.jpg

その後、急ぎ高山川方面に向かった。下流の宇賀ダムに注ぎ込む水は、清く澄み通っていて素晴らしい渓相をしていた。先発のメンバーは、一番上流のポイントから放流を開始。稚魚運搬車について歩きながら、細かくポイント毎に放流していった。
川まで降りられないポイントは、投げ込み放流を行ったが、白い腹を見せる稚魚は皆無で、岩陰に向かって泳いで行った。2時間半かけ分散放流したので、来年4月には太公望を喜ばせるだろう。

いままでは、解禁数日前に成魚放流をしていたので、解禁日から二日位で全く釣れなくなっていた。早期放流は、カワウのエサやりと言われ、渓流釣りができない事態が続いた結果事前放流になった経緯がある。しかし、そのことにより一カ所で釣れ続け、放流した渓流魚がすぐにいなくなる事態が続いている。その結果、渓流釣り人口が激減する事態を招いている。

dsc_0473.jpgdsc_0493.jpgdsc_0515.jpg

秋の稚魚放流は、各漁協も行いたいところだが、カワウ被害を考えると予算を付けにくいという声が多い。放流募金に寄せられる要望には、「なかなか放流できない事情がある河川にも放流して」という声も含まれている。日本釣振興会は、その声をもっと取り上げる必要がある。来春は、春の解禁前放流魚がはじめに釣られ、次に少し大きくなったアマゴが釣れることで、釣れる期間が長くなる。渓流に釣り人が多く訪れることで、カワウ被害を防ぐこともできる。ただ、渓流釣りでは、未だ何匹釣ったという釣師の声も多く、渓流釣りを長く楽しもうという釣師が少ない。もう少し意識を高めて、釣果で競うのでなく『バッグリミット』という持ち帰る数を自らが制限することで、多くの方に釣りを楽しんでもらう精神を育てる必要がある。今後釣り人の地位向上を高めていくためには、大切な精神だと思う。

公益財団法人日本釣振興会 広島県支部長 太田博文氏(JOFI広島 副会長)

コメントは許可されていません。