2009-04-17

温暖化影響?ミズクラゲ越冬

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瀬戸内海西部で今冬、夏場に多いミズクラゲが大量に越冬したことが、広島大大学院生物圏科学研究科の上真一教授(58)の調査で分かった。温暖化の影響とみられ、約20年間の研究でも例がないという。漁業に支障も出始め、上教授はさらに調査を進める。

上教授は昨年9月、呉市沖で多くの稚クラゲを確認。瀬戸内海沿岸の各県の水産試験場などへ照会した結果、冬期でも広島や山口、大分県沖で大量のミズクラゲが目撃されていた。傘の直径が25センチ、重さ700グラムに成長した個体もいた。

ミズクラゲは通常、ポリプという幼生の形で越冬。春先に稚クラゲになり夏にかけて成長する。しかし、秋には死滅し「年一世代」が通例だった。

瀬戸内海の年間最低水温は、この20年で1.5度上昇した。越冬について、上教授は「海水温の上昇に適応し、秋から冬も成長できるようになったのでは」と指摘している。

【写真説明】越冬し、成長したミズクラゲ(3月末、呉市の呉港)=広島大提供

2009年4月17日中国新聞朝刊

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